がんとつきあう(がん治療の副作用)がん関連疲労の認識と医療チームとの協働 がん関連疲労を認識し、治療することの大切さ 疲労が強くなると、あなたがこれまで大切にしてきたこと(仕事、家事、趣味など)ができなくなってしまう可能性があります。疲労の程度や困っていることを継続的に評価して、適切に対処することが重要です。 困っていることがあれば、そのままにせず、担当医などに相談しましょう。疲労に関係している要因の中には、治療が可能なものもあります。 疲労に関与するが、治療が可能な要因 痛み 感情的な苦痛(抑うつ、不安など) 睡眠障害 貧血(赤血球数減少) 栄養不足 活動レベル 薬の副作用 毎日の疲労の程度や困ったことを日誌に記録するのもよいでしょう。自分でも気づかないような変化もありますので、家族の意見も聞いてみましょう。 医療チームとの協働 これまでの疲労の詳細、気付いた変化、日々の生活への影響などについて、医療チームに詳しく伝えましょう。 処方薬、一般薬、栄養補助剤を含め、あなたが使用しているすべての薬を医療チームに伝えましょう。 痛み、悪心、うつ状態があれば、コントロールする方法を担当医に相談しましょう。 わからないことがある場合や、もっと疲労回復に役立つ情報が欲しい場合には、担当医やがん相談窓口で相談しましょう。 病気が疲労の原因であるかどうか、また、もしそうであれば、どのような治療が可能なのか、担当医に尋ねましょう。 医療チームにサポートしてもらいながら、あなたに合った運動メニューを作りましょう。 治療手帳 ご自身の日々の活力レベルや気分を記録するのは、疲労に対処していくうえでとても大切です。わからないことや気になることがあれば、合わせて記録しておきましょう。治療手帳をつけることで、自分の疲労の対処法を見つけられることもあります。また、疲労の程度を自分で把握すること自体が疲労の改善にもつながるといわれています。次の診察の際に、この治療手帳を担当医や医療チームのスタッフに見せることで、あなたの疲労の度合いが正確に伝わり、的確な対処をしてくれるでしょう。また、あなたの疑問点も解決することでしょう。 【監修】がん研究会有明病院 乳腺センター 乳腺内科部長 高野利実 先生 更新年月:2022年11月 ONC46M001A