がん治療の問題点と対処法がん治療で直面するつらさ

がんの診断を受けることで、「診断初期」から「治療開始・入院」、そして「退院・社会復帰」あるいは「進行・再発」の経過の中で、皆さんがさまざまな問題やつらさに直面します。ここでは、がん患者さんとそのご家族が、よく直面するつらさや心配ごとについて紹介し、皆さんの療養生活で生じたつらさや心配ごとの解決に役立てていただければと思います。いつ、どのような問題が起こり得るのかを予め知っておき、早めに対処することで、問題点のスムーズな解決につなげられることと思います。

直面するつらさ

治療に関するつらさ

自分のがんがどのような状態にあるか、どんな治療の選択肢があるか、その治療でどんな効果が期待できるか、副作用があるか、など疑問が出てくるかもしれません。

身体的なつらさ

手術後の後遺症や薬物療法による副作用、病気による痛みや吐き気、疲労、不眠などに対処が必要になることがあります。

経済的なつらさ

がんの治療が長期間にわたると、経済的な負担が増えます。また、仕事や生活スタイルの変化により、収入が減ることを余儀なくされるかもしれません。

生活に関するつらさ

治療後の後遺症や合併症に対処する必要が出たり、体調の変化によりこれまで行っていた身のまわりの事や家族の世話などが困難になり、様々な支援が必要となるかもしれません。

家族のつらさ

家族ががんになると、家族の一人一人の役割が変化するなど、様々な形で影響を及ぼします。家族でがんに向き合い、乗り越えるために何ができるか、話し合いが重要になります。

精神的なつらさ

がんと分かったとき、治療が行なわれているとき、治療効果が得られたとき、病状が進行したとき──その時々で、患者さんと家族の心はさまざまに揺れ動き、ストレスを感じることがあります。

【監修】国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 サポーティブケアセンター/がん相談支援センター
副センター長 坂本はと恵氏

更新年月:2024年10月

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