通院治療と在宅療養在宅医療にかかる費用

在宅での療養生活では、医療費のほかに介護費用がかかってくると、経済的な負担も重くなってきます。ここでは、在宅医療で利用できるさまざまなサービスや、介護の費用負担を軽くする制度について紹介します。

在宅医療で利用できるサービスの紹介

医療費の費用負担を軽くする制度

高額療養費制度

医療費支払いの自己負担を軽くする制度です。病院や薬局で支払う金額が1ヵ月間(1日から月末まで)に一定額(自己負担限度額)を超えた場合、超えた金額が後で払い戻されます。保険適用される診療に対し支払った医療費であれば、薬局での支払いも含め、入院・通院を問わず対象になります。
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介護費用の負担を軽くする制度

介護保険

要介護認定を受けられれば、介護保険が適用され、定められた限度額の範囲で介護サービスを1割から3割の自己負担額で利用できます。

高額介護・高額介護予防サービス費

1ヵ月に利用した介護サービス(介護予防サービス)の1割から3割の自己負担額の合計が、所得に応じた限度額を超えた場合、超えた金額が「高額介護(介護予防)サービス費」として、お住まいの各市区町村から払い戻される制度です。

高額医療・高額介護合算制度

公的医療保険・介護保険の両方のサービスを利用していて、その支出の合計が高額となった世帯の自己負担を軽減するための制度です。1年間(8月1日から翌年7月末日まで)に支払った保険適用の医療費と介護費の自己負担額が、所得に応じた限度額を超えた場合、超えた金額が払い戻されます。

身体障害者手帳

がんの患者さんの場合、大腸がんや膀胱がんの手術で人工肛門や新膀胱を造設したり、喉頭部を摘出して発声ができなくなる等の障害が残った場合、身体障害者手帳交付の対象となり、さまざまな助成や支援が受けられます。

利用できる助成・支援の例

  • 人工肛門や新膀胱を造設した方の補装具や、発声ができなくなった方の会話補助装置や介護用のベッドなど日常生活用具などの支給・貸与
  • 税金の減額免除、公共交通機関運賃の免除・割引

など

利用できる助成や支援内容は、障害の等級やお住まいの市区町村によって異なりますので、お住まいの市区町村の障害福祉担当の窓口に確認しましょう。

医療費や生活資金などを借りられる制度

生活福祉資金貸付制度

低所得者世帯、障害者世帯、要介護者のいる高齢者世帯に対し、各市区町村の社会福祉協議会が低利もしくは無利子で資金の貸し付けと、必要な相談や支援を行う制度です。お住まいの市区町村社会福祉協議会に相談し、申し込むことができます。

民間保険

40歳未満の方は介護保険が適用されませんが、民間の医療保険で介護もカバーしているものもありますので、加入されている保険の内容をご確認ください。

税の負担を軽くする制度

医療費控除

1年間に多額の医療費を支払ったときに、税務署に確定申告を行うことにより、いったん支払った所得税が還付される制度です。 医療費控除の対象となるのは、医療費の他、通院交通費(ガソリン代や駐車料金は除く)、医師などの送迎費、入院時の部屋代や食事代、医療器具の購入費、介護保険の在宅療養費、治療目的でのマッサージ施術費なども含まれます。

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【監修】国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 サポーティブケアセンター/がん相談支援センター
副センター長 坂本はと恵氏

更新年月:2024年10月

ONC46O006A

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