がんになると、どんなお金がかかるの?治療費を支援する制度 治療が始まった皆さんへ 長期にわたるがんの治療では、予想以上に医療費が高額で、経済的に悩むこともあると思います。こうしたご心配を軽減するために、病院でかかる費用の仕組みや、高額療養費制度をご紹介します。ぜひご活用ください。 直接治療にかかるお金 血液検査、CT、レントゲン、エコーや生検などの検査費用 診察費用 手術費用 調剤薬局で支払う薬代 病院で支払う抗がん剤治療などの薬代 入院基本料(食事や差額ベッド代などを除く) など その他にかかるお金 通院のための交通費(ガソリン代を含む) ご家族が病院に付き添うための費用 診断書や生命保険会社への証明書の作成料 入院時の日用品や消耗品、寝衣代、テレビカード 入院時の個室代(差額ベッド代)、食事代(標準負担額が上限となります) など 治療費の概要 健康保険等*が適用される治療を受けた場合 保険診療の場合、医療費は、全国共通の基準(診療報酬点数)が設定されています。 検査や治療などの種類によって点数が決まっており、それを合計したものが医療費になります。 また、入院した場合は、入院基本料がかかります。 入院時の医療費以外にかかる費用 入院中の食事代(標準負担額が上限となります) 差額ベッド代(個室など特別の療養環境を希望される場合) 入院中の各種レンタル代(パジャマ、タオルなど。希望する場合のみ) など 健康保険等*が適用されない治療を受けた場合 臨床試験に参加した場合(一部の試験を除く) 先進医療(※1)を受けた場合 患者申出療養(※2)を受けた場合 ※1 先進医療・・・保険適用外の先進的な医療技術等について、通常の保険診療との併用を厚生労働大臣が認めたものです。この制度では、通常の検査、薬、入院費用などは保険診療で行い、先進医療の費用は、患者さんが全額費用負担するものです。尚、医療機関によっては、先進医療の認定を受けていない場合もあります。 先進医療を実施している医療機関の一覧【厚生労働省ホームページ】2022/7/22参照 ※2 患者申出療養・・・未承認薬等を迅速に保険外併用療養として使用したいという困難な病気と闘う患者さんの思いに応えるため、患者さんからの申出を起点とし、安全性・有効性等を確認しつつ、できる限り身近な医療機関で受けられるようにする制度です。 患者申出療養制度【厚生労働省ホームページ】2022/7/22参照 実際に支払う額 例えば、入院費の総額が50万円かかったとして考えてみます。 この内訳が、医療費の総額で40万円、健康保険等が適用されない費用(食事代(標準負担額)、差額ベッド代)などの総額で10万円だったとします。 医療費の自己負担の割合が3割の場合、医療費の総額の内の3割分(12万円)を患者さんが医療機関等に支払い、残りの7割分(28万円)は保険者から医療機関等に支払われます。 * 本web中の健康保険等とは、公的医療保険のことで、組合管掌健康保険、全国健康保険協会管掌健康保険、船員保険、各種共済組合管掌健康保険、国民健康保険等を指しています。 【出典】以下のサイトを参考にしています。 入院時食事療養費【全国健康保険協会ホームページ】 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31702/1951-254/ 2022/7/22参照 診療報酬制度【公益社団法人全日本病院協会ホームページ】 https://www.ajha.or.jp/guide/1.html 2022/7/22参照 患者申出療養制度【厚生労働省ホームページ】 https://www.mhlw.go.jp/moushideryouyou/ 2022/7/22参照 関連リンク 70歳をさかいに所得に応じて高額療養費の自己負担限度額が異なります。 70歳以上の方専用のページを設けておりますので、以下のリンクよりご覧ください。 70歳以上の方の医療費 高額療養費制度 適用ルール 【監修】国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 サポーティブケアセンター/がん相談支援センター 坂本はと恵氏 更新年月:2023年9月 ONC46N017A 医療費の総額 医療費自己負担が3割の方は、それを10割に換算した金額が医療費の総額になります。 (1割または2割負担の方も同様) 保険者が支払う額(保険給付) 保険者が医療機関等に納める医療費です。 患者さんには請求されません。 保険者とは、国民健康保険や協会けんぽなど、患者さんが加入している保険をさします。