主な治療法と 副作用・合併症 外科療法 放射線療法 薬物療法 肺がんの治療と副作用主な治療法と副作用・合併症 肺がんの治療方法は主に外科療法(手術)、放射線療法、薬物療法(抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬)があり、それぞれの治療中や治療後には、副作用や合併症があらわれることがあります。また、肺がんと診断されたその日から不安や痛みといったさまざまな苦痛をやわらげるための緩和ケアや適切なリハビリテーションが必要に応じておこなわれます。 副作用や合併症について、どのような症状がいつあらわれるかについては個人差がありますが、いずれも早めに気づいて適切な対処を行うことが重要です。 また、予防できる症状については予防をすることも大切です。ご自分の行っている治療ではどのような副作用が起こる可能性があるのかをよく理解し、下記以外でも気になる症状がみられた場合には、すぐに担当医に相談しましょう。 肺がんの主な治療法と副作用・合併症 外科療法※1 救急の対応が必要なもの 肺炎 気管支瘻 肺塞栓 心筋梗塞・脳梗塞 乳び胸 など その他 発現することのある合併症 不整脈 手術後の出血 声のかすれ(嗄声) 無気肺 肺瘻 など 放射線療法※2 皮膚炎 食道炎 肺臓炎 脊髄炎 など 薬物療法※2-5 抗がん剤 悪心・嘔吐 骨髄抑制 下痢・便秘 脱毛 末梢神経障害 皮膚障害 味覚障害 間質性肺炎 など 分子標的薬 悪心・嘔吐 皮膚障害 間質性肺炎 その他の主な副作用 など 免疫チェックポイント阻害薬 皮膚障害 肺障害 肝・胆・膵障害 下痢・大腸炎 腎障害 神経・筋・関節障害 内分泌障害 インフュージョン リアクション その他の主な副作用 など ※本ウェブサイトにおいて「抗がん剤」とは、化学療法のことを指します。 ※1 坪井正博: よくわかるがん治療 肺がん 最先端治療と再発・転移を防ぐ日常生活の工夫, 主婦の友社: 95-96, 2020 ※2 渡辺俊一, 大江裕一郎, 伊丹純ほか: 国立がん研究センターの肺がんの本, 小学館クリエイティブ: 66-92, 2018 ※3 日本肺癌学会編: 患者さんのための肺がんガイドブック 2021年版 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む, 金原出版: 96-108, 2021 ※4 日本がん看護学会: 分子標的治療薬とケア, 医学書院: 199-202, 2016 ※5 日本臨床腫瘍学会: がん免疫療法ガイドライン 第2版, 金原出版: 25-72, 2019 【監修】近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授 中川和彦 先生 更新年月:2022年11月 ONC46M001A 外科療法