肺がんの検査と診断治療薬を検討するための検査

遺伝子検査

遺伝子検査

最近の研究により、それぞれのがんに特有な遺伝子変異が存在することがわかってきています。

肺がんでは「EGFRイージーエフアール遺伝子変異」、「ALKアルク融合遺伝子」、「ROS1ロスワン融合遺伝子」といったドライバー遺伝子(がん細胞の発生・増殖に直接的に関与する遺伝子)変異がみられ、これら以外にも「BRAFビーラフ遺伝子変異」や「METメット遺伝子変異」、「RETレット融合遺伝子」、「NTRKエヌトラック融合遺伝子」、「KRASケーラス遺伝子変異」など、さまざまな遺伝子変異のタイプが存在することがわかってきました※1,2

これらの遺伝子変異をターゲットとした治療を行うことができるようになってきたことから、患者さん1人ひとりに合った個別化治療が可能かどうかを検討するために遺伝子検査を行います。

多くの場合、確定診断のときに使った「組織」や「細胞」を用いてそれぞれ検査を実施します。

がん細胞のPD-L1タンパクの検査

近年、PD-L1抗体のような免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれるお薬が開発されています。わが国においては2015年末に初めての治療薬が承認され、以降、複数のお薬が登場し、肺がんにおける治療薬の選択肢は多くなってきています※3

これら免疫チェックポイント阻害薬の効果を予測するために、がん組織のPD-L1タンパクの検査を行うことがあります※1

※1 日本肺癌学会編: 患者さんのための肺がんガイドブック 2021年版 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む, 金原出版: 31, 2021

※2 日本肺癌学会編: 肺癌診療ガイドライン 2021年版 Ⅱ.非小細胞肺癌(NSCLC) 7. Ⅳ期非小細胞肺癌
https://www.haigan.gr.jp/guideline/2021/1/2/210102070100.html 2022/7/19参照
注意:上記Webページを印刷して外部提供することは厳禁

※3 日本肺癌学会編: 患者さんのための肺がんガイドブック 2021年版 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む, 金原出版: 106, 2021

【監修】近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授 中川和彦 先生

更新年月:2022年11月

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