がん患者入門~入院・手術 手術当日はこんな流れで進みます!
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がんの手術は誰だって怖いものです。でも、がんの手術当日の流れを把握しておけば、少しは心の準備ができるのではないでしょうか。
ここでは、一般的ながんの手術当日のスケジュールをイラストにまとめました。手術室に入った後は、麻酔がかかりますから、特に全身麻酔の場合は「気づいたら手術が終わっている」という印象です。
がんの手術前日は「説明」の連続
がんの手術が近づくと、患者さんは忙しくなります。手術の前日、または前々日に、医師からはがんの手術内容について、麻酔科医からは麻酔について、看護師からは手術前から手術後にかけての流れについて、それぞれ説明があります。「説明」ばかりで混乱するかもしれませんが、わからないことがあれば、その都度、質問しましょう。大部屋に入院する場合は、先輩患者さんに話を聞くのも一つの方法です。患者さん目線での手術前後の話を聞くことができます。
また、術前検査があることもありますし、がんの手術の方法によっては剃毛、剃髪、おへその掃除が必要な場合もあります。剃髪は、病院の美容室でやってもらえるなら、任せるのも一つの方法です。がんの手術後はしばらくシャワーが浴びられないこともあるため、いつもよりも念入りに全身を洗いましょう。
翌日にがんの手術があると思うと、心配で眠れないという人もいるでしょう。医師や看護師に相談すれば、睡眠剤を出してもらうことも可能です。
がんの手術当日の流れ
がんの手術の方法、開始時間によりますが、ほとんどの場合、朝から絶食です。絶水、水分制限がある場合もあります。また、がんの手術部位によっては、浣腸が必要になることもあります。手術当日になって「これから浣腸しますよ」と看護師に告げられショックを受けた、車イス用の個室トイレにこもり、看護師と二人で入り浣腸をしたといった話も聞きます。
手術着は入院中に着る病衣とは作りが違い、脱げやすいように至るところにマジックテープがついています。戸惑うかもしれませんが、看護師が着替えを手伝ってくれます。また、がんの手術中は長時間寝たままで足を動かせないため、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)の予防のために弾性ストッキングを着用することも多いです。そのほか、T字帯など病院から指示されたものを準備しましょう。
準備ができたら、付き添いの家族と一緒にいたり、好きな音楽を聴いたりして、がんの手術が始まるのを待ちます。
手術室へは、ストレッチャーで運ばれることもありますが、最近では患者さんの取り違えや手術部位の間違いなどを防止するために自分で歩いて手術室に入ることが増えています。
名前やリストバンドで本人確認を行います。手術室に入る時、手術台に上がった時と、何度も確認されることもあり、大事な作業です。ちなみに、病院によってはリラックスするために手術室で好きな音楽を流してくれます。ある患者さんはクラシックをお願いしたところ、なぜか「川の流れのように」が流れていたそうです。
手術前に執刀医や麻酔科医、看護師が挨拶をしてくれますが、手術用のマスクと帽子で誰だかわからず、ポカーンとしてしまったという患者さんもいました。手術台には自分で上がることが多いようです。「昨夜はよく眠れましたか?」などと会話が始まったと思ったら、すぐに麻酔科医が麻酔の準備をしていて、いつの間にか意識が遠のき、気づいた時にはがんの手術がすでに終わっていた……というのが多くの患者さんの経験談です。
洗面・トイレを済ませる
水分の接種可能時間は確認する
手術着に着替える
(下着はまだ履いていてOK)
家族と談笑
看護師さんに付き添ってもらい
歩いて手術室へ
名前を確認して手術室へ
家族としばしお別れ
名前とIDの確認をして自分の
手術が行われる手術室へ
麻酔科医・担当看護師
執刀医に挨拶
麻酔の準備
【監修】福島県立医科大学 腫瘍内科学講座 主任教授 佐治 重衡 先生
更新年月:2024年11月
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