急性リンパ性白血病(ALL)を学ぶ小児ALLの主な治療法

※このページでは、小児ALLの主な治療法について紹介しています。成人ALLの主な治療法についてはこちらをご覧ください。

1. フィラデルフィア(Ph)染色体がない場合(Ph陰性)1,2)

3~4種類の抗がん剤を用いた強力な化学療法が4~6週間にわたって行われます。寛解導入療法によって寛解が得られた場合は、寛解となっても残っている白血病細胞をさらに減らすために強化療法を、それが終わったら維持療法を行います。維持療法は数年にわたって続けますが、飲み薬のため、治療をしながら学校生活など通常の生活を送ることもできます。 
特定の染色体異常や遺伝子異常がある場合、初期治療(寛解導入療法)の効果が十分でない場合には、造血幹細胞移植を行うことがあります。

2. フィラデルフィア(Ph)染色体がある場合(Ph陽性)1)

Ph染色体がある場合は、「チロシンキナーゼ阻害薬」という分子標的薬と、複数の抗がん剤を用いた化学療法の併用が行われます。 
チロシンキナーゼ阻害薬は飲み薬で、“TKI(ティーケーアイ)”という略称で呼ばれることもあります。

3. 中枢神経系(脳・脊髄)への浸潤の予防1-3)

白血病細胞が脳や脊髄などの中枢神経系に入り込むと(浸潤)、激しい頭痛や意識障害などの症状を引き起こすことがあります。そこで、中枢神経系への浸潤を予防するため、腰の部分の背骨に針を刺し、抗がん剤などの薬剤を直接注入する「髄腔内注射(髄注)」や、点滴による投与が行われます。
通常、小児では寛解導入療法~強化療法と同時期に行われます。

【出典】

1) 日本小児血液・がん学会編:小児がん(血液腫瘍・固形腫瘍)診療ガイドライン2026年版:78-89, 138-143, 150-152

2) 国立がん研究センター:がん情報サービス 白血病〈小児〉 治療[更新・確認日:2022年6月6日]
https://ganjoho.jp/public/cancer/leukemia/treatment.html (2026/7/2参照)

3) 宮崎仁:もっと知りたい白血病治療 患者・家族・ケアにかかわる人のために 第2版 医学書院:48-49, 2019

【監修】 金沢大学医薬保健研究域医学系 血液内科学 教授 宮本 敏浩 先生

更新年月:2026年9月

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