大腸がんを学ぶ大腸がんの基礎知識大腸がんとは大腸に発生するがんを大腸がんといいます。大腸は小腸から続く約2mの消化管です。大腸はいくつかに区分され、始まりの盲腸、盲腸から上方に向かう上行結腸、次に横に向かう横行結腸、下方に向かう下行結腸、S字状に曲がるS状結腸、S状結腸と直腸の間にある直腸S状部、下方にまっすぐ伸びる直腸(上部直腸と下部直腸)、そして最後の肛門括約筋(かつやくきん)のあるところが肛門管です。大腸がんは、日本人ではおよそ2/3が結腸、1/3が直腸に発生しています※1。上行結腸がんなどの右側結腸がんも増えてきています。大腸の壁は内側から、粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層(しょうまくかそう)、漿膜(しょうまく)の6層で構成されており、大腸がんは大腸の一番内側にある粘膜の細胞から発生します。大腸の位置と大腸の区分大腸壁の構造大腸がんの発生には、①粘膜に発生した腺腫(ポリープ)という良性の腫瘍の一部ががん化して発生するものと、②粘膜にある正常な細胞が直接がん細胞に変化するもの、の2つの経路があります。多くは①から発生すると考えられています。大腸がんは、大腸の粘膜の表面で発生した後、大腸の壁に深く侵入(浸潤(しんじゅん)といいます)するにつれてリンパ管や血管にがん細胞が侵入し、転移により全身に広がります。大腸がんの症状早期の大腸がんでは症状はほとんどありませんが、進行すると、下血、血便、便秘・下痢、便が細くなる、便が残る感じ、お腹が張る、腹痛、貧血、腫瘤(しこり)、腸閉塞などの症状が出ます※2。これらの症状は、大腸のどこに、どの程度の大きさのがんができているかによって異なります※2。右側の大腸がん(盲腸がん、上行結腸がん、横行結腸がん)では大きくなるまで症状が出にくく、腫瘤(しこり)として発見されることが多く、腹部の張り感や、慢性的な出血による貧血もみられます※2。一方、左側の大腸がん(下行結腸がん、S状結腸がん、直腸がん)は、出血(下血、粘血便)、便秘・下痢、便が細くなるなどの症状で発見されることが多いのが特徴です※2。【出典】※1 国立がん研究センターがん情報サービス 集計表ダウンロード, 2.罹患, 1)全国がん登録(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html#a14)2026/1/23 参照※2 大腸癌研究会編. 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版, 金原出版, p15-16, 2022【監修】国立がん研究センター東病院 消化管内科 吉野孝之 先生小谷大輔 先生更新年月:2026年3月ONC46N022B